質問1
昔はお寿司屋さんに入ったら「まず玉子を注文するのが常道で、それでそのお店の出汁や程度がある程度分かるよ」と親父から聞かされました。
今は、厚焼き玉子はじぶんのところで焼いているお店も減ってきたと思いますが、教えてください。
若旦那からの回答
鮨屋の玉子焼きには出汁を使わずに白身魚のすり身や山芋などを混ぜてカステラ風に焼く厚焼き玉子や鰹節の出汁に芝海老のすり身や砂糖、塩、日本酒、みりんなどを加えて焼く出汁巻き玉子などがあります。
玉子焼きは店によって甘さ加減や焼き方などが違うのはもちろんですが、同じレシピ通り焼いても職人によって仕上りが全く変わってしまうほど難しい仕事です。
その日の気温、卵の質によっても仕上り具合が変わってきます。塩分の欲しくなる夏は少々塩を多めに、甘みを欲する冬は砂糖やみりんを少し多めにするなど1年の中でも季節によって味に変化を加えている店もあります。
玉子焼きの仕込は簡単なようで実は手間と時間がかかる仕事なので近年は玉子焼き専門店に発注する店が多くなったようです。
ちなみに当店では出汁焼きの玉子焼きを毎日焼いておりますが、来店されて最初に玉子焼きを注文されたお客様は今まで1人もいらっしゃいません。笑。
余談ですが関西の方は東京の甘い玉子焼きが苦手の方が多いようです。