其の十六
大名火消(だいみょうびけし)
大手方、桜田方、二の丸、紅葉山、吹上、浅草米蔵、本所米蔵、上野寛永寺、増上寺、聖堂、猿江材木蔵など11か所の警護を申し付かっている。
しかし火事の場合でも主人は滅多に出張はしない。
この火事頭巾は、鉢が金か木に漆塗り、長さ3尺の羅紗のしころ付き、定紋又は竜頭(たつがしら)を頂く。
火事羽織は、鳥頭か天狗の面などの刺繍のしてある羅紗、色は黒か黄か紫白か茶。
野袴は繻子、羅紗、どんすなどで、大小をさし、馬上に采配を持ち、それに金銀の纏、馬簾で、立派ないでたちであった。